(原文はB5判 縦書き3段組み)
東 京 凌 霜 謡 会
柳原仁哉(昭25経済)
東京凌霜謡会は平成21(2009)年12月の例会が第634回で、永年毎月休みなく行われてきた。その
発端は、昭和27(1952)年に遡ることができる。昭和26年がサンフランシスコの対日平和条約締結の
年だから、この会はまさに戦後の日本の歴史と共に歩んだと言えよう。
最初は、神戸高商時代の謡曲部の名称を踏襲して「天狗会」と称されていたのが、その後「東京
凌霜謡会」と変更になった。当初は新大久保の出光興産のクラブを借りていた由だが、その後、銀
座6丁目の交詢社の和室、新橋1丁目の(社)国際善隣協会の会議室と移り、7年ほど前から東京凌霜ク
ラブを利用している。
現在の会員は、新潟から年に一度はご参加して下さる清野一郎氏(昭14)、高岡幸彦氏(昭19)、今泉
昌長氏(昭23)、柴田栄一氏(昭25)、同年卒業の私柳原仁哉、西野公三氏(昭33)、河野豊氏(昭47)、山
本秀人氏(昭48)、織田瑞夫氏(平11)の9名。その他、高岡氏は観世流の名誉師範でお弟子を持ってお
られるが、そのうち4名がビジターとして参加され、会員総数は13名。昔は30名ほどメンバーがおら
れ、毎回、盛大な集まりだったそうだ。私は13年ほど前から参加して、当時世話役をされていた四
方常義氏(昭23)の後を継いで10年ほど世話役を務めたが、昨年から上記の西野さんが世話役をされて
いる。
交詢社の頃は、お元気だった松山緑氏(昭5)、岡田茂義氏(昭4)、大久保治一氏(昭11)、吉野正二氏
(昭12)などとご一緒に、謡会が終わった後、近くの銀座の安具楽で盃を交わして四方山話の中から
貴重な人生の教訓を教えて頂いたものだ。昔は、新年会は交詢社の一流レストランで、和、洋式の
フルコースの食事が出て、夫婦お揃いで参加される方もあり、今から思えば贅沢ができた良い時代
であったようである。これらの方はみんな93乃至96才で亡くなられるまで会に参加しておられた。
謡をやって居られたからご長寿だったのか、お元気だから謡を続けておられたのかは分からないが、
お腹の底から声を出す謡は、心肺機能を強め、ストレス解消に役立つと言われており、その良い証し
となろう。
私たちの先輩が60年近くにわたり途絶えることなく続けてこられたこの東京凌霜謡会を絶やさない
ため、東京近郊に在住の神戸大学卒業生で、ご興味のある方は奮ってご参加願いたい。原則として毎
月 第4土曜日の午後1時から5時まで、東京凌霜クラブの一室で5番を謡うことにしている。気軽に小生
まで連絡願いたい。
連絡先:電話:044-987-XXXX
(転写注) 会員山本秀人の卒業年「平4」を「昭48」に訂正。
元世話人四方常義の卒業年「S33」を「S23」に訂正。
交詢社時代の会員岡田茂義の卒業年「昭7学」を「昭4」に訂正。