(原文はB5判 縦書き3段組み)
東 京 凌 霜 謡 会
▽・・・・四月例会・・・・△
四月八日(第二土)午後一時より毎回に同じく新宿区西大久保の出光寮で開催した。
当日の出席者及び曲目下記の通り。前庭の三分咲きの桜を賞でつつ長閑に五曲を朗吟、
晩餐を共にして午後六時に散会した。
ツレ 三田 三郎(大 5)
竹生島 シテ 近藤 得三(明43) ワキ 岡田 茂義(昭4)
忠 度 シテ 岩田 映 (大 9) ワキ 井上 重三(昭 7)
ツレ 中田 あや(故中田友次郎氏(大2)夫人)
熊 野 シテ 松山 緑 (昭 5) ワキ 渡辺藤四郎(昭13)
ワキツレ 吉田 清二
ツレ 岡田よし子(岡田茂義氏夫人)
芦 刈 シテ 丸山 語郎(大14) ワキ 安村慶次郎(昭 4)
独 吟
藤 戸 安村慶次郎
小鍛冶 シテ 吉田 清二(昭 4) ワキ 渡辺藤四郎(昭13)
ワキツレ 井上 重三
附祝言
(幹事 安村記)
▽・・・・五月例会(二五〇回)・・・・△
一、五月例会は、当会が昭和二十九年に音申吉、高田透氏等により結成せられ、原則
的に毎月一回例会を開催することになってより実に二五〇回目の例会に当たった。
二、当会としては、発足以来今日までに物故せられた音申吉氏等十三方のご霊位にその
後の会の順調な発展をご報告するために、五月例会日の午前に港区芝増上寺に有志相
集まって、十三方追善供養の法要を厳修した。物故会員は御卒業年次順に下記の方々
である。
矢野 政子 殿(明40卒元氏夫人)
音 申吉 殿(明45卒)
臼井 経倫 殿(大 4卒)
高田 透 殿(大 5卒)
藤井喜代治 殿( 同 )
松川 光江 殿(同松川武一氏夫人)
西村 二郎 殿(大 7卒)
秋葉 四郎 殿(大 9卒)
今井 明 殿(大11卒)
大橋 義勝 殿( 同 )
木阪規矩三 殿(大12卒)
玉伊 辰良 殿(大14卒)
三、同日午後、文京区向山の日立製作所小石川別館において五月例会兼第二五〇回記念
謡曲大会を開催して、下記曲目の素謠会を開催、出席十七名に上る盛会であった。
記念素謡大会番組
連 吟
子方 渡辺藤四郎
邯 鄲 シテ 岩田 映 (大 9) ワキ 三木 静雄(昭 4)
井 筒 シテ 中田 あや(大2故中田友次郎氏夫人)
独 吟
松 風 三木 静雄
景 清 伴 健次郎(昭 4)
法皇 三木 静雄
内侍 高岡 幸彦
局 岡田よし子(昭7岡田茂義氏夫人)
ワキツレ 三田 三郎(大 5)
仕 舞
野 宮 高田 尚子
白 石 シテ 西川 清 (大 5) ワキ 渡辺藤四郎
附法文(融 キリ)
四、幹事安村慶次郎任期(十年)満了、新幹事渡辺藤四郎と交替した。
(五、二五 安村記)
(転写注) 4月例会「熊野」のツレ中田あやの夫君卒業年次「大3」を「大2」に訂正。
4月例会「芦刈」ワキ岡田茂義の卒業年度「昭7」を「昭4」に訂正。
5月例会の素謡「白石」は「殺生石」か「白楽天」の誤植ではないかと思われますが、
確認不能のためそのまま「白石」と記載しました。