(原文はB5判 縦書き3段組み)

            東 京 凌 霜 謡 会

 ◇昭和五十九年の初謡会は一月二十八日(第四土)午後一時より交詢社にて開催されました。

 今年は全国的に寒波が厳しく、東京地方も十日前の雪がまだ残っているほどの寒い毎日です。

 そのため二、三の欠席者がありましたが、参加者九名は元気に謡初めをしました。

     番  組

 神 歌     三木静雄(昭4     千歳 安村慶次郎(昭4

 鶴 亀   シテ 三木静雄        ワキ 安村慶次郎

 巴     シテ 丸山語郎(大14      ワキ 安村慶次郎

 東 北   シテ 北岡源太郎(昭5     ワキ 高田夫人(故透氏夫人)

 花 月   シテ 渡辺藤四郎(昭13      ワキ 岡田茂義(昭4

      子方 岡田夫人(茂義氏夫人)

 海 士       シテ 松山 緑(昭5      ワキ 安村慶次郎

     仕 舞  東 北   岡田夫人    三木、高田、安村

   祝言 午後五時   

  有志により銀座にて夕食後解散。

 

 ◇二月例会は二十五日(第四土)午後一時より交詢社にて開催。当日は異例の厳寒の中で割合

 あたたかい日でした。今回より新会員が参加され十名となりました。新人は昭和11年卒業の

 大久保治一氏(東洋製缶を退職後現在は東缶共栄()相談役)、本日初めてのためお役なし。

    佐渡卓氏のお葬式(二月二十四日青山斉場)に三田長老はじめ有志者数名が参列しました。

 ご冥福をお祈りします。

     番  組

      ツレ 吉田 誠(昭14

 竹生島   シテ 安村慶次郎(昭4    ワキ 渡辺藤四郎(昭13

      子方 丸山語郎(大 14

      ツレ 安村慶次郎

 安 宅   シテ 北岡源太郎(昭5    ワキ 松山 緑(昭5

 羽 衣   シテ 丸山語郎        ワキ 高田夫人(故透氏夫人)

 弱法師   シテ 吉田 誠        ワキ 岡田茂義(昭4

 羅生門                   ワキ 北岡源太郎

                       頼光  渡辺藤四郎

                       保昌  岡田茂義

                       獨武者 吉野正二(昭12)

    祝言 午後五時

  有志者にて観梅酒で乾杯して解散。

 

 ◇三月例会は、三月二十四日(第四土)午後一時より交詢社にて開催、さすがにお彼岸もすぎた

 この日は寒さがやや緩やかであった。参加者八名、三田長老、中田夫人も久し振りに出席されお

 元気であった。

     番  組

      ツレ 北岡源太郎(昭5

 八 島   シテ 丸山語郎(大 14      ワキ 大久保治一(昭11

      ツレ 渡辺藤四郎(昭13

 熊 野   シテ 中田夫人(故友次郎氏夫人) ワキ 北岡源太郎

                       ワキツレ 三田三郎(大5)

      子方 中田夫人

 百 万     シテ 松山 緑(昭5       ワキ 大久保治一

 盛 久    シテ 三木静雄(昭4)      ワキ 渡辺藤四郎

                        ワキツレ 三田三郎

 岩 船    シテ 三田三郎         ワキ 渡辺藤四郎

    祝言 午後五時

  有志者会食して解散。                                                         (渡辺 記)