(原文はB5判 縦書き3段組み)
恒例の謠会を六月二十七日(日)、松泉館舞台(阪急六甲北、若林邸内)で開いた。
参加者は十八名で、特筆すべきことは昨年の会に新人として迎えた梅園健治君と馬島肇一君
(昭六一卒)の外に二人の新人女性、船寺佳奈子さん(昭六〇年卒)と嶋由香里さん
(平成元年卒)参加を見たことで、会に活気と華やかさが加わった。
悲しいことは、会長として長年にわたり会の運営に当たって下さった井口宗敏氏が昨年十月
十五日に永眠されたことで、ご長男井口敏行氏からの報に接し、当会から心ばかりの弔意を捧
げ、この謡会で番組の中に卒都婆小町と融を組み込んで故人への手向けとした。
梅雨時ながら好天に恵まれ、青葉の茂る庭園に囲まれた舞台で、素謡八曲、仕舞三曲、
連吟一曲、狂言一曲をこなした。狂言は当家の主人若林邦昌氏の特別のご好意によるもので感
銘深いものがあった。定刻までの全番組を完了し、記念写真を撮ったのち懇親会に移ったが、
西尾雄一氏の夫人美代子さんの特別参加もあり、若林家のご芳志の生酒に和やかな気分に包ま
れ、各自自己紹介をして同窓・同好のよしみを深め、次回を約して散会した。
出席者および番組はつぎのとおりである。今回も予め地頭を定めて充実をはかったが、番組
から
地頭名は省いておく。
〇出席者(敬称略)
平井 光治(昭2) 香川 義行(昭 3) 伴 健次郎(昭4)
藤井 茂(7学) 西尾 雄一(昭11) 伊藤 欣二(昭17)
松田幸次郎(昭19) 大道 一雄(昭35) 佐々木肇宏(昭39)
段野 治雄(昭40) 戸次威左武(昭40) 尾島 洋三(昭42)
梅園 健治(昭61) 馬島 肇一(昭61) 船寺佳奈子(昭60)
特別参加 西尾美代子(西尾雄一氏夫人)
〇番 組
素 謠
西 公子
老 松 大道 一雄 佐々木肇宏
戸次威左武
放下僧 尾島 洋三 段野 治雄
西 公子
雨 月 藤井 茂 伊藤 欣二
卒都婆小町 平井 光治 松田幸次郎
段野 治雄
佐々木肇宏
馬島 肇一
仕 舞
羽 衣 戸次威左武
藤 戸 香川 義行
連 吟
熊 野 船寺佳奈子・嶋 由香里
狂 言
花 子 若林 邦昌
井 筒 馬島 肇一 伊藤 欣二
トモ 梅園 健治
ツレ 西 公子
景 清 西尾 雄一 若林 邦昌
判官 段野 治雄
姉和 佐々木肇宏
起請文
(藤井 茂 記)