(原文はB5判 縦書き3段組み)

            東 京 凌 霜 謡 会

 

 ◇四月例会は二十八日(第四土)午後一時より交詢社にて開催。当日は本年になって初めて春

 らしい陽気な日であり、今月満九十歳の誕生日を迎えますますお元気な三田長老はじめ十名が

 参加した。

     番  組

      ツレ 吉野正二(昭12

 嵐 山   シテ 丸山語郎(大14    ワキ 北岡源太郎(昭5 

 忠 度   シテ 中村夫人(故新三郎夫人) ワキ 中田夫人(故友次郎氏夫人)

 西行桜   シテ 木静雄(昭4     ワキ 吉田 誠(昭14

                       ワキツレ 渡辺藤四郎(昭13

 桜 川   シテ 吉田 誠        ワキ 岡田茂義(昭4

                                                    キツレ 三田三郎(大5

      子方 丸山語郎

 鞍馬天狗  シテ 北岡源太郎       ワキ 渡辺藤四郎

    祝言 午後五時   

   三田長老の卒寿をお祝いして有志により夕食して解散。

 

 ◇五月例会は五月二十六日(第四土)午後一時より交詢社にて開催。五月は旅行や行事の多い

 月のためか、出席者は常連は七名でしたが、西公子さんが顔を見せられました。昭和十三年卒

 西直彦氏の夫人で、神戸にお住いのため上京される時間とうまく一致する場合には出席される

 予定です。野村四郎師の門下で、かなりお上手と推察しましたが、当日はあいにく他のご婦人

 の出席がなく、お声を聞くことができず残念でした。

     番  組

      ツレ 吉田 誠(昭14

 養 老   シテ 渡辺藤四郎(昭13    ワキ 吉野正二 12)

 頼 政   シテ 安村慶次郎(昭4     ワキ 渡辺藤四郎

 杜 若   シテ 吉田 誠         ワキ 大久保治一(昭11

      池田 吉野正二

      義仲 渡辺藤四郎

 木 曽   シテ 三木静雄(昭4      

   (願書)

 鵜 飼   シテ  大久保治一       ワキ 吉野正二

                        ワキツレ 三田三郎(大5

      祝言 午後五時

 

     

 ◇六月例会は六月二十三日(第四土)午後一時より交詢社にて開催、当日は梅雨の悪天候のため

 婦人の出席はなく参加者九名であった。

  五月の「願書」につづき今月は乱曲「定家一」と高度の曲目が披露された。

     番  組

      ツレ 渡辺藤四郎

 賀 茂   シテ 松山 緑(昭5      ワキ 三田三郎

      ツレ 吉田 誠

 通 盛   シテ 三木静雄         ワキ 大久保治一

     独 吟  定家一字題   安村慶次郎

 班 女     シテ 丸山語郎           ワキ 渡辺藤四郎

 天 鼓    シテ 吉野正二          ワキ 吉田 誠

     トモ 三田三郎

     胡蝶 渡辺藤四郎

     頼光 松山 緑

 土蜘蛛    シテ 安村慶次郎        ワキ 丸山語郎

    祝言 午後五時

                                                                  (渡辺 記)

 

  (転写注)  4月例会「忠度」シテ中村夫人の夫君名「信三郎」を「新三郎」に訂正。