(原文はB5判 縦書き3段組み)
東 京 凌 霜 謡 会
六月例会
一、例会は九日(第二土)新宿西大久保の出光寮で催した。長い間お世話になったこの
出光寮は近くビルに改築されるため、今回が最後の会となったので、臼井会長以下十
三名出席、緑滴るばかりの庭で(この庭も街路拡幅のために、やがて道路になる予定)
記念撮影をしてこの寮との、この庭との名残りを惜しんだ。この日の曲目及び演者下
の通り。
ツレ 飯田(大7)
賀 茂 シテ 近藤(明43) ワキ 三田(大5)
ツレ 秋葉(大9)
通 盛 シテ 丸山(大14) ワキ 飯田
班 女 シテ 中田夫人 故中田友次郎氏(大2)夫人
ワキ 中村夫人 中村新三郎氏(大4)夫人
ツレ 中村夫人
葵 上 シテ 松山(昭5) ワキ 岩田(大9)
独 鼓
船弁慶 高田夫人 故高田透氏(大5)夫人 今井(大11)
天 鼓 シテ 臼井(大4) ワキ 岩田
附祝言
二、七月からの例会は文京区白山の日立小石川別館で催すことに致します。
三、五月十九日、岡田茂義氏(学1)夫人よし子さん東中野梅若能楽堂に於て大曲、道成寺
の能を開かれました。鐘後見梅若六郎、ワキ宝生弥一、地方、囃子方何れも一流の職分
を揃えられ、それ等に劣ることなき力を発揮されての素晴らしい出来栄でした。当会よ
りは臼井会長。近藤長老以下多数拝見、又観客堂に溢れるばかりの盛況でした。
六月十七日(日)故高田透氏(大5)夫人尚子さんの率いられる若草会の夏の会が新宿
区百人町の野村舞台で盛大に催され、ご婦人方の出演の多い華やかな会でした。当会よ
りは、臼井会長、近藤長老、三田、岩田、秋葉の諸氏による草子洗小町一番を以て参加
致しました。
(四八・六・二三安村)
十四日(第二土)七月度例会を文京区白山の日立小石川別館で開催した。もと熊本藩主
細川候の下屋敷であり、その広い芝庭の眺めを愉しみつつ午後一杯を費やして下記曲目を
朗吟した。出席十四名、今回より岡田茂義氏(23回、学1回)夫妻の参加を得て一段と賑
やかになった。
素 謠
ツレ 松川夫人(大5松川武一氏)
雨 月 シテ 伴(昭4) ワキ 近藤(明43)
ツレ 秋葉(大4)
敦 盛 シテ 岩田(大9) ワキ 三田(大5)
楊貴妃 シテ 中田夫人 (大2故中田友次郎氏) ワキ 飯田(大7)
子方 安村(昭4)
三井寺 シテ 臼井(大4) ワキ 秋葉(大9)
仕 舞
羽衣キリ 岡田夫人 (昭4岡田茂義氏)
師長 岡田夫人
ツレ 安村
玄 象 シテ 田中(大13) ワキ 丸山(大14)
付 祝 言
新会員の入会を歓迎します。連絡は下記へ
〒167 東京都杉並区善福寺X-XX 安村慶次郎宛 電話(XX-XXX-XXXX)
八月例会
一、八月例会は第三土曜の十八日、文京区白山二丁目の日立小石川別館で催した。極暑の
折であり、高年者会員の多い当会のこと、流石に今月は集まりが悪く、臼井会長(大4)、
秋葉(大9)、岩田(大9)、丸山(大14)三木(昭4)、安村(昭4)の年に似合わぬ元
気者六人の集りであった。曲目及び演者下の通り。
素 謠
三 輪 シテ 岩田 ワキ 安村
ツレ 安村
女郎花 シテ 丸山 ワキ 三木
半 蔀 シテ 三木 ワキ 安村
ツレ 安村
蟬 丸 シテ 秋葉 ワキ 丸山
独 吟
景清(語り) 三木
安達原 シテ 臼井 ワキ 秋葉
ワキツレ 岩田
附祝言
二、先頃岩岡正彦君(昭15)(三菱商事)の入会があり、当会会員は三十九名となったが、風韻会
出身者のご入会を特に期待致します。 (八・二〇安村)
(転写注) 6月例会番組中「班女」ワキの中村夫人の夫君名「信三郎」を「新三郎」に訂正。