(原文はB5判 縦書き3段組み)
昭和四十三年四月十四日
神戸市灘区宮山町三丁目一七
於松泉館
番 組
藤尾 豊一
養 老 谷本 繁 井口 宗敏
巴 菊池 侃 今宿 純男
連 吟
田 村 西村登志子 酒井 朋
梅村美知子 梶川 孝子
雲林院 売間 光男 若林与左衛門
仕 舞
班 女 福山 和子
井 筒 芥川美和子
松 風 吉留 敦子
笹之段 沼田 真弓
源氏供養 内海 実 酒井 利貞
向浜 幸雄
独 吟
三井寺 井口 宗敏
勧進帳 香川 義行
西行桜 福光 家慶 前田 英一
中島 克己
芥川美和子
雲雀山 井口 宗敏 香川 義行
藤尾 豊一
仕 舞
采 女 谷本 繁
海 士 香川 義行
若林邦昌
鉢 木 若林与左衛門 前田 英一
吉留 敦子
鞍馬天狗 若林邦昌 藤尾 豊一
祝 言
地謡参加者 湯朝 憲之 高橋 雅晴
北本 幸仁 辻 晧一
右の如く第九回謡曲会を開催した。会場は阪急六甲駅の直ぐ北川にて便利であり若林氏の
御邸なので、ご厚意に甘えていろいろと御世話になった。
母校よりは福光教授を初め多数学生(風韻会員)の参加あり張合のある会であった。学生
諸君は日頃の練習にものをいわせ非常によく揃い、若さの元気で吾々は圧倒されるかに見え
たが、鉢木の前田、若林両氏の気合はこれにも増してものすごく堂々たるものであった。
其他の面々も老練とそれに持前の渋味をよく発揮して、大天狗小天狗何れもよろしく、鞍馬
の奥僧正が谷辺りの仙境に一日を楽しく過ごした感であった。
広島よりはるばる来会された香川氏に対し又終始地頭を勤めていただいた酒井氏(師範)に
対し敬意を表します。
次回も多数御参加あらん事を、尚本会への連絡は井口、藤尾両幹事へ御願いします。
(内海 実記)