(原文はB5判 縦書き 3段組み)

 

 

 

           第1回関西地区 凌霜謡曲大会の記

  

 

     九月十四日(土)

             午后一時半始曲

         

   大阪市(南)吉祥閣舞台で左記番組の通り参加者三十一名でいとも盛況でした。恰も日時を同じ

 

くして東京凌霜うたい九月例会が開催されたことも奇縁でした。

     

     定刻、大先輩長老連悠々と謠い始め、独吟二曲は師匠級であり、宝生グループは関西コンクール

 

第二、三位の実績を有し、本日は之を上回る熱演であり、この間仕舞四番中の紅一点太田恵美子嬢

 

も先輩に伍してこれまた美事な出来でした。

 

  

           番   組

 

 () 三 輪        田中 六郎    石井 源一

 

  

           伊藤 則忠

  

 () 清 経        西脇  徹    山家  猛

        

                                       青木 又雄

  

 () 松 風        和田伝太郎    内海  実

 

 

             独  吟

 

      () 景 清   豊島 又衛

 

      () 願 書   酒井 利貞

 

  

          藻川 恒夫    新見  肇

 () 藤 栄         上田 博晟    水野 信

 

 

          井口 宗敏

 

          藤尾 豊一

 

() 俊 寛          田中 載吉    栗岡 治作()

 

 

           仕  舞

 

     () 網之段   太田恵美子

 

           () 松 風   平井 光治

 

        () 三井寺   栗岡 治作

 

        () 笠之段   伊藤 則忠

 

 

        田淵 照雄

 

          ツレ  上野 孝純

 

 () 玄 象          田伏  修    豊島 又衛()

 

 () 猩 々          百々 貞雄    田中  清

 

  

          ≪記 念 撮 影≫   ------------    (下記ご参照)

 

 

 

 『午後七時』懇親会を同舞台下の広間で行う。

 

     井口宗敏師世話人代表としてあいさつ石井源一氏の乾盃の発声あり和気藹々裡に先づず広島から

 参加された田中載吉長老(三回卒)から自己紹介が始まりました。謡曲歴や謡の功徳など各位から要

 点をついての話もなかなか興味深く感銘の多いパーティでした。延々二時間余、話が続いて果てしな

 かったが掉尾の傑作は何と云っても田中載吉長老自作の狂言で之を舞台に再登場され御披露あったに

 は一同ヤンヤ、ヤンヤの喝采でした。

  復活第一回の関西の記念すべき大会も九時すぎて万事めでたし、めでたしでお披きとなりました。

  当日要務で止むなく缺席の方もあり御期待を頂いた各位の御協力を紙上を以て拝謝します。

        尚次回には高井勘太郎氏(第一回)若林与左衛門氏(第十八回)若林秀雄氏(第十八回)前田英一氏

 

(第十九回)囃子能楽に同好の会員も参加を頂いてゐますので次回の楽しみも亦一入と存じます。

 

 

 

            第一回世話人 井口宗敏(十六回)石井源一(十六回)石原康志(新経五回)   (藤尾記)

 

《後列》    田淵照雄  新見 肇  水野博晟  藻川恒夫  山家 猛  石原康志  奥山博三

      太田恵美子 田中 清 岡崎久雄 木村 清 内海 実 百々貞雄 平井光治 豊島又衛 藤尾豊一 上野孝純

《中列》     田中捨次郎   田中六郎   栗岡治作   酒井利貞   石井源一   井口宗敏

《前列》    和田伝次郎   田伏 修   田中載吉   伊藤則忠   青木又雄   西脇 徹